Soramichi's blog

Some seek complex solutions to simple problems; it is better to find simple solutions to complex problems

ドイツ経由スイスへの長期滞在で危うく入国できず詰みかけた話

今月から半年間スイスに長期滞在している。 成田 - チューリッヒの直行便は1日1本だけあるが時間が悪いのか値段が高すぎたのか検索で出てこなかったのでドイツ経由のチケットを取ったら、あやうく入国できず詰むところだったので誰か(自分含む)が同じミスを犯さないようにメモしておく。

前提知識

まず、スイスとドイツはともにシェンゲンエリアに入っている。 シェンゲンエリア内では人や物が自由に移動できることになっていて、エリア内の移動にパスポート検査や関税はない。 さらに、エリア外からエリア内に入る場合は最初に入国する国でパスポート検査をするらしい。 つまり、日本からドイツ経由でスイスに行く場合はドイツで入国審査を受ける

また、シェンゲンエリアの国に日本パスポート保有者が観光や仕事(現地でお金を稼ぐわけではなく、日本の組織にやとわれた身としていく場合)は 90 日以内はビザなしで滞在できる。逆に 90 日を超える場合はなんらかの許可が必要で、今回はこれにあたる

なおシェンゲンエリアはEUとは微妙に違う。スイスはEUには入っていないがシェンゲンエリアには入っている。逆にイギリスはEUにはまだ入っているがシェンゲンエリアには元々入っていないので、ユーロスタードーバー海峡を越えるときにはパスポート検査がある。

持っていたもの

スイスに長期滞在するにあたり、自分が持っていたものは以下。

詰みかけた経緯

羽田でチェックインの際に長期滞在なのでビザを持っているか聞かれ、上記のようにお金をもらって働くわけではないのでチューリッヒの滞在許可しか持ってないがこれ以外に取得できないのでこれでいけるはずと伝えた。 すると、スイスに直行の便なら問題ないが、フランクフルト経由でドイツで入国審査をするのでもしかしたら拒否されるかもしれないとのこと。さらに念のため確認しますといってフランクフルト空港に電話で問い合わせたところ、ダメとの回答を得たらしい。ここで一旦詰んだかと思った

話をまとめると次のようなことだった。

  • チューリッヒの滞在許可証を持っているので、スイスの入国は問題ない(とフランクフルト空港にも言われたらしい)。従って、直行便かシェンゲンエリアの国以外での乗り継ぎなら問題ない。
  • しかし今回はドイツで入国審査があり、ドイツはシェンゲン国の中でも最近特に入国審査が厳しくこれでははじかれる。
  • シェンゲンエリアの国でもドイツ以外での乗り換えならいける「かも」しれない。

同じシェンゲンエリアの国なのに特に厳しいとかいけるかもとかの違いがなぜ存在するのか分からないが、フランクフルト空港に電話で聞いてダメと言われたなら少なくともドイツ経由でダメなことは間違いなさそうである。

確かにチケットを買うときに直行とかシェンゲンエリア以外で乗り継ぎにしてスイスで入国審査が行われるようにした方がいいなかとは思ったが、スイスに直行便がない国もあるわけだしこれでいけるだろうと思っていた。

助かった経緯

これまでのところ唯一の手はフランクフルト経由をキャンセルして他の便を取り直すことである。実際に羽田でも最初はそれを薦められた。なおANAでは渡航書類のトラブルで旅行ができない場合には全額払い戻しされるらしい。ただ、今回は旅行会社経由でとっているのでANAでは直接手続きができないとのことだった。

キャンセルしようにも旅行会社が土日で電話がかからない、職場も土日で指示をあおげないので途方にくれていたところ、チケット2の存在を思い出した。チケット2は 6/20 に戻ることになっており、90 日以内なのでノービザ扱いで入国できるのでは?と思い聞いたところ、これでいけるとのことだった(ただし 6/20 以降の旅程については別途考慮が必要である)。

実際にフランクフルトのパスポート検査でも 6/20 に戻ると言ったら隣の検査官となにやら会話していて(たぶん90日以内だよね?と確認していたと思われる)、帰りのチケットを見せろと言われたので 6/20 のチューリッヒ発成田行きの eTicket を見せたら無事に入国できた。

今後の展開

ひとまず無事にフランクフルトで入国できスイスに到着できた。法的にもこちらでお金を稼ぐわけではないので 6/20 まではこの状態で全く問題ないはずである。

しかし、90 日以内ノービザシステムは正確には 180 日の間で 90 日以内 なので、次回はこの手は使えない。 チューリッヒに到着後 14 日以内に居住者登録をすることになっていて、こちらの人の話によるとそれをしたあとは自由に入出国できるそうなので、その登録証のようなものが他のシェンゲンエリアの国でも通用すればOKのはずである。 もしダメそうなら他のチケットをいったんキャンセルして取り直すか、次回はウィーン経由で厳しいドイツではないのでいけると祈るしかない。

今回の教訓:シェンゲンエリアの国に長期滞在するときには、直行便かシェンゲンエリアではない国で乗り継ぐことで長期滞在する目的の国で入国審査が行われるようにする

ちなみに似たような話として、予定を決めない放浪の旅をする人が入国審査で帰りが 90 日以内であることを証明しないとはじかれることを避けるために、片道のチケットを「貸す」サービスがあるらしい。 でもこれはたぶん法的にアウトな気がする・・・ 7 Ways To Provide Proof of Onward Travel - Goats On The Road