ドイツ語の壁について
壁 Advent Calendar 2019 - Adventar の20日目です。
今年の4月から10月までスイスのチューリッヒに滞在していたので、そこで話されているドイツ語の壁について書きます。スイス入国時に直面したやばい壁については下記の記事をご覧ください(ヨーロッパに長期滞在する人には役立つ内容かと思います)。
ドイツ語の壁とは
チューリッヒではドイツ語が話されていることになっていますが、実は Swiss German というやつで普通のドイツ語とはかなり違うところがあります。この記事では Swiss German と普通のドイツ語の違い(壁)について書きます。
半年間の観測では、Swiss German の単語で普通のドイツ語と異なるものには3つのパターンがあるようです。
- パターン1:フランス語の影響
- パターン2:特定の文字が変わる
- パターン3:完全に独自の用語
パターン1:フランス語の影響
スイスではドイツ語の他にフランス語圏、イタリア語圏、あとほんの一部ロマンシュ語が話される地域があります。ロマンシュ語以外の3つは公用語になっており、スーパーで物を買ってもだいたいドイツ語、フランス語、イタリア語で成分などが書いてあります。
この影響かは裏をとってないのですが、Swiss German にはたくさんのフランス語の単語が溶け込んでいます。例えば次のようなものがあります。
- Poulet - チキンです。スーパーにおいてあります。完全にフランス語の単語です。google translate で chicken と入れると Hähnchen と出ますが、チューリッヒでは見たことがありません。
- Coifeur - 美容院です。Herren とか Damen とか書いてあります。これも完全にフランス語のようです。
- Excüsé - Excuse me です。発音はエクスキューゼーなのでフランス語の Excusé moi に近いです。ただし entschuldigung も普通に通じます。
また Swiss German ではエスツェット(ß)を使いません。例えば駅前通りは Bahnhofstrasse となり、Bahnhofstraße ではありません。これもフランス語とかイタリア語にないアルファベットは使わないから、ということでフランス語の影響という説がありますが実際のところはよくわかりません。
パターン2:特定の文字が変わる
普通のドイツ語と比べて特定の文字が変わることがあります。よくあるのは au が üu になるパターンです。例えば Haus が Hüus になって、スーパーで Hüus Tea というのが売っています。
パターン3:完全に独自の用語
上のどちらのパターンにもあてはまらない、完全に独自の単語やどう変化したのか分からない単語もたくさんあります。
- Grüezi - 軽い挨拶で、Hi みたいなものです。どこでも何時でも使いまくります。たまにとてもカッチリしたところ(空港とか)に行くと Guten Tag とか言われるのでびっくりします。
- En guete - have a nice meal 的な意味です。例えばレストランで食事を出すときなどに言います。発音は エン グワッテ です。
- Schoggi - チョコレートです。普通のドイツ語では Schokolade なので似てはいますが、かなり形が違うのでどう変遷してきたのかよくわかりません。